院長の是好日

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マンジャロで体重が落ちたら、次に守るべきは「筋肉と骨」の話

「マンジャロを始めたら体重がよく落ちている。でも、なんか体が弱くなった気がする」

「注射を打ち始めて食欲がなくなった。これって大丈夫?」

そういう声を最近よく聞くようになりました。

マンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病と肥満治療のために開発された注射薬で、体重を大幅に減らす効果が確認されています。今、日本でも非常に注目を集めている薬のひとつです。

ただ、体重が落ちるときに脂肪だけでなく筋肉も一緒に落ちやすいという問題があります。

この記事では、マンジャロを使っている方・使おうとしている方に向けて、「薬の効果を最大限に活かしながら、筋肉と骨を守るために何ができるか」をお伝えします。


マンジャロって何の薬?

マンジャロはGLP-1とGIPという2種類のホルモン受容体に同時に作用する注射薬です。食欲を抑え、血糖値を下げ、体重を減らす効果があります。

従来のGLP-1薬(オゼンピックなど)の進化版とも言われており、臨床試験では体重の20%以上の減少が報告されています。心血管リスクの低下や、睡眠時無呼吸症候群への効果も確認されてきています。

非常に強力な薬であることは間違いありません。


でも、体重が落ちると同時に「筋肉」も落ちる

ここが多くの方が見落としているポイントです。

急激に体重が落ちるとき、体は脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーとして使います。これは断食・カロリー制限・GLP-1薬すべてに共通して起きることです。

筋肉が減ると何が起きるか。

  • 骨への負荷が減る→骨密度が下がる
  • 体の支えが弱くなる→転倒・骨折リスクが上がる
  • 基礎代謝が落ちる→薬をやめると体重が戻りやすくなる
  • 体力・疲れやすさに影響が出る

特に40代以上の方は、加齢による筋肉量の自然な低下(サルコペニア)が始まっている時期でもあります。マンジャロによる急激な体重減少が、その流れをさらに加速させる可能性があります。


「薬をやめたらリバウンドした」の本当の理由

マンジャロをはじめとするGLP-1薬には、「やめると体重が戻る」という問題が報告されています。

この理由のひとつが、薬を使っている間に筋肉量が減ってしまうことです。

筋肉は基礎代謝の中心です。筋肉量が少ないと、同じカロリーを食べても太りやすい体になっていく。薬の力で体重を落としながら、同時に筋肉を守る対策をとらないと、長期的な効果が続きにくくなります。


対策①:運動で筋肉に刺激を入れる

筋肉を守るための最もシンプルな方法が、運動です。

筋肉は使わなければ減っていきます。逆に言えば、体重が落ちていく過程でも、筋肉に適切な負荷をかけ続けることで、筋肉量をできる限り維持できます。

マンジャロを使っている方に特におすすめなのは**レジスタンス運動(筋トレ)**です。スクワット・腕立て伏せ・チューブトレーニングなど、筋肉に抵抗をかける運動を週2〜3回行うことが、筋量維持に最も効果的とされています。

有酸素運動(ウォーキング・自転車)は心肺機能と血糖管理に有効で、これも並行して続けることをおすすめします。


対策②:オステオパシー施術で「筋肉が正しく動ける状態」を作る

「運動で筋肉を使えばいい」——それはそうなのですが、使いたい筋肉がうまく動かせない状態になっていると、運動の効果が半減します。

これがオステオパシー施術の出番です。

施術が筋骨格系を守る4つの理由

① 軟部組織への手技が筋細胞の再生を促す

2025年にJournal of Osteopathic Medicineに掲載された論文では、オステオパシー医が行う軟部組織への手技(ソフトティッシュOMT)が、筋肉の廃用・萎縮モデルにおいて筋肉量の回復を促進することが示されました。手技による物理的な刺激が、細胞レベルでメカノトランスダクション(機械刺激→細胞応答)のシグナル経路を活性化し、筋細胞の再生・修復のスイッチを入れることが確認されています。

つまり施術そのものが、筋肉の回復を細胞レベルで後押しするということです。

② 筋緊張のバランスを整える

マンジャロで体重が急減すると、体の重心バランスが変わります。使いすぎる筋肉と使われなくなる筋肉が生まれ、筋緊張のアンバランスが起きます。

オステオパシー手技(筋筋膜リリース・筋エネルギー法・軟部組織テクニック)が安静時筋緊張に影響を与え、筋骨格系疾患の根底にある筋緊張の異常を調節できる可能性が示されています。

筋緊張が整うと、残っている筋肉が本来の役割を正しく果たせる状態になります。

③ 筋エネルギー法(MET)で筋肉を能動的に活性化する

筋エネルギー法(MET)は、患者が特定の方向に筋肉を能動的に収縮させながら、施術者がそれに対して抵抗をかける手技です。等尺性・等張性の収縮を使って筋肉を弛緩・伸長させます。

これは「ほぐす」だけの施術ではありません。施術の中で筋肉を実際に収縮・活性化させることで、体重減少で弱った筋肉の神経-筋連結を維持・強化します。

④ 自律神経を整えて血流を改善する

OMTは筋肉と関節の動きを改善し、神経と筋肉の連結を強化し、体内の化学バランスを整えることを目的としています。

急激な体重減少は自律神経系にもストレスをかけます。自律神経が乱れると血管の調節が崩れ、筋肉や骨への血流・栄養供給が低下します。オステオパシー施術が自律神経を整えることで、筋肉と骨が必要な栄養を受け取れる環境が作られます。


運動+施術の組み合わせが最強な理由

運動と施術は、それぞれ単独でも意味があります。でも組み合わせると効果が上がります。

【運動】
筋肉に負荷をかけて量と強度を維持

   +

【オステオパシー施術】
筋肉が正しく動ける状態を作り
細胞レベルの回復を後押しし
自律神経・血流を整える

「運動しているのに効果が出にくい」という方の多くは、筋肉の緊張アンバランスや神経-筋連結の乱れが原因のことがあります。施術で土台を整えてから運動すると、同じ運動でも体への効きが変わってきます。


まとめ:マンジャロを使うなら、この3つをセットで

やること目的
マンジャロ(薬)脂肪を落とす・血糖を下げる
運動(筋トレ+有酸素)筋肉量・骨密度を守る
オステオパシー施術筋肉が正しく動ける状態を作る・細胞レベルの回復を促す

マンジャロは非常に強力な薬です。でもそれだけに、薬が体に与える影響をしっかり理解した上で、失われやすいものを守る対策を並行してとることが重要です。

「薬を使いながら体をどう守るか」——これが、これからの肥満治療・生活習慣病ケアで最も重要なテーマになっていくと考えています。

マンジャロを使っている方、これから使おうとしている方で、運動や施術について相談したい方はお気軽にご連絡ください。

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