
「トラウマは呼吸を止める 〜一次呼吸から見えてくる“生きた解剖”〜」
■ 私たちは生まれた瞬間から、すでに“トラウマ”を経験している
その最初の出来事が「出産」です。
出産というプロセスは、どのような形で生まれてきたかによって、人生の方向性にも大きな影響を与える――
これは決して大げさな話ではありません。
たとえば鉗子分娩や吸引分娩など、医療的な介助を伴う出産では、新生児の頭部に強い力がかかります。
オステオパシーの視点から見ると、こうした頭部への負担は中枢神経系への影響につながりやすくなります。
もちろん、こうした出産方法を否定するものではありません。
むしろ、命をかけて取り上げてくださる産婦人科医や助産師さんには心から敬意を表します。
■ 自然分娩でも起きている「頭蓋への影響」
自然分娩であっても赤ちゃんは狭い産道を通るために、頭蓋骨を重ね合わせて小さくなりながら生まれてきます。
その後は、少しずつ頭蓋骨が元の位置に戻っていくのですが――
ときにそれがうまく戻りきらず、大人になってから機能的な問題や症状として現れることがあるのです。
■ トラウマとは、心だけのものではない
生まれた後にも、私たちは多くのトラウマを経験します。
それは、大きな交通事故や骨折といった**物理的な外傷(フィジカルトラウマ)**だけでなく、
死別・離別・いじめ・虐待などの心理的トラウマも含まれます。
■ トラウマが影響を与える「呼吸」とは?
これらのトラウマは身体のどこに現れるのか――
その答えのひとつが「呼吸」です。
呼吸といっても、私たちが普段意識している胸で吸う“胸郭呼吸”だけではありません。
オステオパシーでは、**脳と脊髄が行う“一次呼吸(Primary Respiration)”**という、より深層の呼吸リズムを重視しています。
この一次呼吸が、トラウマなどによってブロックされると、
- 胸が苦しい
- 頭が重い、痛い
- なんとなく調子が悪い
といった、原因のはっきりしない不定愁訴が現れ始めるのです。
■ オステオパスの本質的な役割とは?
オステオパスの役割は、トラウマによってブロックされた一次呼吸を回復させることです。
たとえば、骨折のあとのメディカルチェックで「異常なし」と言われたにもかかわらず、
「なんとなく苦しい」「まだ違和感が残る」――
そんな声を聞いたことはありませんか?
それは、見た目には治っていても、一次呼吸のリズムが戻っていない状態かもしれません。
オステオパスは、この一次呼吸の回復を生命力の指標として最も重要視します。
実際、多くの方が施術後に、
「えっ、生まれ変わったみたい!」
「こんなに深く呼吸できたのはいつぶりだろう…」
と驚かれるのです。
■ “生きた解剖”が始まるとき
一次呼吸が回復し、全ての組織が呼吸し始めたとき――
身体中にエネルギーが行き渡り、内側から整っていく感覚が芽生えます。
オステオパシーではこの状態を**「生きた解剖(Living Anatomy)の表現」**と呼びます。
ただ構造を整えるのではなく、本来の生命のリズムを取り戻すこと。
それが、私たちが考える「真の健康」なのです。
■ 終わりに
トラウマは、心だけでなく身体にも、そして呼吸にも深く影響しています。
頭の奥でずっと残っていた緊張、胸の中にあった重さ、無意識に止めていた呼吸。
それらが少しずつ解かれていくとき、あなたの中の“生きた解剖”が始まります。
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