何年も続く腰痛——「異常なし」と言われても、痛みは確かにそこにある
腰が痛い。 病院で検査を受けても、「骨にも神経にも、はっきりした異常はない」と言われる。
それでも、痛みは毎日そこにあります。
朝、起き上がるのがつらい。 長く座っていられない。 「気のせい」でも「年のせい」でもなく、確かに苦しい。
そういう方が、当院にはよく来られます。
まず、お伝えしたいことがあります。 検査で異常がないと分かること自体は、とても大切な情報です。 重い病気が隠れていないと確認できる。 それは医療機関でしかできない、大事な役割です。
ただ、「異常がない」ことと「何も起きていない」ことは、同じではありません。
痛む場所に、原因があるとは限らない
腰痛で多いのは、「痛い場所をなんとかしよう」とすることです。
けれど身体は、長い時間をかけてバランスを取りながら生きています。 その結果、本当の問題は別の場所にありながら、 最終的に耐えきれなくなった場所——たとえば腰——に痛みが現れることがあります。
過去の捻挫や転倒。 長年の座り方や立ち方。 言葉にできなかった緊張。
そうしたものが「身体に刻まれた歴史」として残り、 時間を経て、今の腰の痛みとして表れていることがあります。
痛みは、結果です。 そして、身体からのメッセージでもあります。
腰と、意外な場所のつながり——「呼吸の筋肉」の話
臨床の現場で、患者さんによく驚かれることがあります。
「腰の痛みに、横隔膜が関係していたなんて」と。
横隔膜は、肺の下にある、呼吸をするための筋肉です。 一見、腰とは関係なさそうに思えます。
けれど横隔膜は、息をするだけの筋肉ではありません。 お腹の中の圧(腹圧)を調整し、 背骨を内側から支える「土台」のような働きもしています。
研究では、こんなことが報告されています。
- 慢性的な腰痛のある人は、身体を動かして姿勢を保とうとするとき、 横隔膜の動きが小さくなる傾向がある。
- 横隔膜は腹圧の調整を通じて、背骨の安定に重要な役割を果たしている。
- 近年の研究では、呼吸の働き・痛みの感じ方・腰の動かしやすさ(腰椎の可動性)のあいだに、 意味のあるつながりがあることが示されている。
つまり、腰そのものだけでなく、 「呼吸」や「腰をどれだけ滑らかに動かせるか」も、 腰痛と関わっている可能性がある、ということです。
ここは、正直にお伝えします。 これらの研究の多くは、関連を観察したもので、 「横隔膜を緩めれば腰痛が治る」と証明したものではありません。
ただ、私自身の臨床では、 呼吸の浅さや、腰椎の動きの硬さに目を向けることが、 身体全体のバランスを読むうえで大切だと感じています。
腰だけを見ていては、見えてこないものがあるのです。
研究では、オステオパシー全体としてどう報告されているのか
オステオパシーは、アメリカでは医学のひとつとして位置づけられ、 研究も積み重ねられてきました。
腰痛については、2014年に複数の臨床試験をまとめて解析した研究があります。 そこでは、原因のはっきりしない(非特異的な)腰痛に対して、 オステオパシーの手技が痛みの軽減と、日常動作のしやすさの改善に 意味のある違いをもたらした、という中程度の質の報告がなされています。
ただし、ここは正直にお伝えします。 この研究自体、「結果にばらつきがある」として評価が一段下げられています。 すべての腰痛に、すべての人に効く、という話ではありません。
研究が示しているのは、あくまで「改善の可能性」です。 そして、その可能性は、一人ひとりの身体の状態によって変わります。
当院がしていること
私がしているのは、痛みを力で押さえ込むことではありません。
身体が語っている情報を、静かに、丁寧に読み取ること。 そして、身体が本来の秩序へ戻るための、きっかけを与えることです。
身体の中には、もともと自ら整おうとする力が備わっています。 その働きが現れたとき、内側から調整が始まり、 結果として、症状が変化していくことがあります。
何年も腰の痛みと付き合ってきて、 「もう一度、自分の身体と向き合ってみたい」と考えている方には、 意味のある時間になると考えています。
まずは、私の声を聴いてください
当院の施術は、一般的な「治療」とは考え方が異なります。 だからこそ、ご予約の前に、私がどんな視点で身体を見ているのかを、 音声で聴いていただくことをおすすめしています。
聴いたうえで、受けるかどうかを判断していただければ幸いです。
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